出会って、貰って、馳せて、紡いだおはなし

めちゃくちゃに備忘録

文学戯劇-宮沢賢治-『星紡ギの夜』at 光が丘IMAホール


4/24マチソワ観てきた!
ここ1ヶ月くらい頭から沼へダイブしてる紘大くんが出るというので観たいなーと軽い気持ちで観に行ったけど、それはもうとっても良いどころじゃないくらいに最高に良くて、本当に観に行ってよかった


宮沢賢治の4作品を紡いでいくオムニバス形式なんだけど、そもそも宮沢賢治の作品の世界観が好きで。といっても原作は難しくてあんまり読み込めてないんだけど、8年くらい前に「イーハトーボの劇列車」っていう宮沢賢治の半生を描いた作品に当時の推し(大久保)が出てて、東京も地方も通って、岩手のツアーも行って宮沢賢治記念館的なところにも行ったりしたので、世界観とかそういうのは多少理解してるつもり…



始まってすぐ何の前触れもなく紘大くんが出てきて突然最初のどんぐりと山猫始まるからびっくりしたけど!(笑)
終演後のツイキャスで、史也さんからこの登場シーン「紘大なら任せられる」って仰っていて、そういう発言聞けるの最高だな〜と思った、、、役者もファンもテンションあがるよね、、、

障子4枚と後ろのモニターとメインの役者1人で色々と場面転換するの好きな演出だな〜とおもった◎こういう舞台演出!っていうのめちゃくちゃ好き。
船木さんの変な男感、気味悪くて最高だった!体のくねらせ方とか変ですごいなあと。目当てが出てるのにどんぐりたち見てるの楽しくて、ついつい見ちゃう!ずるすぎる!



終わって山猫佐奈ちゃんの導入のセリフでやっとOP。
ここの演出も曲も素敵で…!!!基本の白シャツペースで、体から役名が浮かんだり、それぞれのセリフが落ちてきたり、星が浮かんだり、それぞれの作品のカラーの上着を脱いだり羽織ったり、めちゃくちゃ綺麗なの!!!
ひと作品ずつ演じる人たちが立ち上がるんだけど、同じ人でも役によって立ち方変えてるのも好きだったな〜〜



綺麗な音楽がセリフで止められて、セロ弾きのゴーシュが始まるんだけど、ゴーシュ役の健人くんもいいお芝居で、動物と出会ってゴーシュがどんどん変わってくのがわかるんだよ〜!
マチネでセロのケースが倒れそうになって、バッて押さえて倒れないようにしてたのめちゃくちゃかっこよかった…!!

動物役のみなみなさまは圧巻でどの動物も可愛くて好きになる!選べないくらい全部魅力的で可愛くて面白いのー!
あせくんのカッコウもすきだし、ジュリーさんの楽譜をたぬきのグーの手かわいくてすき!

ここの締めの山猫のセリフがまためちゃくちゃ良くて。

「(怒っていたのは)不幸せで、焦っていて、足りていなかったから。今、君が人に感謝できるのは、君が幸せで、立ち止まれていて、満ちているから。それだけのこと」

「気持ちとかそういう曖昧なものでなくて、かけた時間と残った技術は、等しい中で得た、不確かでないものだ。
それもまた、それだけのこと。 だけど確かだ」
めちゃくちゃ刺さってちょっと泣いた〜
自分が最近悩んでたこととか、思ってたことにダイレクトに刺さってしまってな〜〜



山猫の語りから注文の多い料理店に移っていくけど、男1に振り回される男2の紘大くんめっちゃ可愛いし、輝さんが最高に面白いし2人の関係が垣間見えるのよきでした◎
これも扉どんどん開けてくから場面転換めちゃくちゃ大変そうだけど、進んでいく感じが見ててワクワクするんだよな〜

山猫佐奈ちゃんがラストめちゃくちゃ怖くて良いんだけど、ずっと紘大くんの背中とお尻みてた…ごめんなさい…反省…Yシャツ越しの背中が癖なもんで…

テンポ感よくて面白いから飽きずに見られるし、ちょっと疲れてきたところに良い息抜きになるの。構成も妙で最高。

最後の山猫の締めの言葉の中の「自分の幸福を追うことが、どこで何を生むかって、それをせめて、知ってないとね」って刺さる、すごい刺さる。



ここで出てくる1の反対はマイナス1、0の反対は星の数とか幸いとか素敵な言葉たちがこの後に続いていって、最後の銀河鉄道の夜

ようじろうくんのジョバンニも可愛くてとっても良いんだけど、涼くんのカンパネルラが最高に最高すぎてすっかり魅せられてしまった。可愛い少年なんだけどずっとどこかに影があって儚さがすごい、ずっと消えちゃいそうなの。

たくさん良い言葉が詰まってたけど、とくに響いたのをちょっとメモ
「わかっていることも手順と証拠を揃えて伝えなければ、伝わらない人もいる」
「知らないことを本当に知るには、知ろうとすることしか方法はありません」

そしてラストシーンのカンパネルラのセリフ。
「いくつものひとつひとつにほんとうが宿ってる。ちょうどそれも星みたいだ」
「みんなみんながいくつも持っている。明るさや距離で、見えたり見えなかったり、見え方が変わったりずーっとし続けると思うけど、だけど、あるよ」
ここの涼くんの熱量すき…クールなカンパネルラが感情剥き出しになるの胸打たれる。亀田さんここで泣いてたの見ちゃったよ()
この最後のシーンは苦しくなっちゃうくらいカンパネルラの想いが伝わってくるし、ジョバンニの気持ちもわかるし、ほんとつらかった。



最後のまとめの群読。
これはもうねずっとほんとにむり。語彙なくなる。
なんのために演劇をしているのかって、想像はできていたけど、こんな直接的な言葉で伝えてくれると、劇場に出向いて演劇を観に来た意味まで肯定してくれているようで救われる気持ちになれた。

ほんとうとか、幸いとか、それだけの言葉だとクサくて、胡散臭い気がするけど、この作品見てると素直に受け取れて、自分の幸いってなんだろうって考えることができた。
こうやって演劇を観にくることも幸いの1つだなって思えるし、また一つ演劇を好きになったし、これからもいろんな作品に出会いたい、です。



ソワレカテコの紘大くんの挨拶めちゃくちゃよかった。早口で詰め込んで喋るからもうほとんど覚えてないんだけど(笑)とっても真理で伝えたいことちゃんと教えてくれて、言わなくてもわかるだろ!精神じゃなくて、思ってることちゃんと言葉にしてくれるタイプなのすごくすきです。真っ直ぐな人だって伝わる。
キャスの挨拶でも見え方や景色が変わると思うって言ってたけど、たしかに今まで以上にいろんな幸いを感じたり出来そうな気がしてる。




書きすぎたけど、本当に最後の群読はセリフ一言一句素晴らしいのはもちろんだし、演出も素敵で、もうわたしの知ってる言葉じゃ表現しきれないので、そろそろ終わりにする。


伝えたいことがこんなに真っ直ぐに刺さって伝わって、心が震えた舞台は初めてだったなー
辛いときも幸せな時も何度も何度も見返したい作品なので、円盤なりますように